RoundCubeでWEBメールを自宅サーバーで利用する

2015/03/11[公開] 2016/03/20[最終更新]

 前回の記事で、メールサーバーを構築し直してIMAPsに対応させたので、ついでにWEBメールサービスも使えるようにした備忘録です。これでちょっとしたホスティングサービスにもひけを取らない自分だけの自宅ホスティングサーバーが出来ちゃいました。

【2015/05/17 追記】

 この記事はDebian7.8 Wheezyで設定した記事になります。Debian8.0 JessieにしたらDebian標準リポジトリからRoundCubeはインストールできなくなっています。安定版待ちのようですね。

このページの目次

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前提的なもの

  1. Debian GNU/Linux Wheezy7.8で設定しました。
  2. WEBサーバーはApache2.2
  3. データベースはMySQL5.5
  4. メールサーバーがIMAPs(ポート993)、SMTPs(ポート465)対応
  5. WEBサイトがSSL対応(https://~に対応)

 いわゆるよくある構成というやつです。SSL対応は推奨です。SSL未対応でも利用できますが、セキュアじゃないので非推奨です。

RoundCubeのインストール

 Debian標準のリポジトリからインストールできるWEB Mailシステムとしては、RoundCubeSquirrelMailが有名なようです。最近の更新頻度からRoundCubeを選びました。Debianのリポジトリからインストールするので最新バージョンとはいきませんが。

aptitude install roundcube

roundcube1

 熟練したデータベース管理者ではないので「はい」で進みます。

roundcube2

 「mysql」を選びます。

roundcube3

 MySQLのrootのパスワードを入力します。

roundcube4

 roundcube用のパスワードを新規に入れます。

roundcube6

 確認のためもう一度パスワードを入力して、インストール完了です。

 RoundCubeの設定

 /etc/roundcube/main.inc.phpと/etc/roundcube/apache.confの二つのファイルを設定します。

/etc/roundcube/main.inc.php

 ものすごい数の設定項目があり、きめ細かな設定ができるようですが、今回は必要最低限のところだけ設定します。

$rcmail_config['default_host'] = 'ssl://mail.ikt-s.com';

 72行目に IMAPサーバー名を入れます。SSL/TLS対応の場合は ’ssl://メールサーバー名’ です。

$rcmail_config['default_port'] = 993;

 75行目にIMAPポート番号を入れます。IMAPなら143ですがIMAPsなので993です。

$rcmail_config['smtp_server'] = 'ssl://mail.ikt-s.com';

  135行目にsmtpサーバー名を入れます。SSL/TLS対応の場合は ’ssl://メールサーバー名’ です。

$rcmail_config['smtp_port'] = 465;

 138行目にsmtpポート番号を入れます。smtpは25ですがsmtpsなので465です。

$rcmail_config['smtp_user'] = '%u';

 142行目にsmtp-authのユーザー名をログインユーザー名にする%uを入れます。

 

$rcmail_config['smtp_pass'] = '%p';

 146行目にsmtp-authのパスワードをログインパスワードにする%pを入れます。

$rcmail_config['force_https'] = enable;

 189行目にhttps://からでないとログイン画面に行かないようにenableを入れます。http://で利用する場合はdisableです。

$rcmail_config['login_autocomplete'] = 2;

  198行目はログイン画面でブラウザのオートコンプリート機能を許可するか設定できます。0で使えない設定、1はIDだけ許可、2はIDとパスワードの両方保存できるようになります。

$rcmail_config['mail_domain'] = '%d';

  271行目ですが、ウチの場合はメールアドレスが”ユーザー名@ikt-s.com” にしたいので%dを入れます。ここを指定してないと”ユーザー名@IMAPホスト名”になってしまいます。ログイン後に個人設定のところで変更できますが、最初からちゃんと設定させるにはココを設定しておきます。

$rcmail_config['product_name'] = 'IKT-S Webmail';

  292行目はログイン画面の「ようこそ***へ」の***部分を指定できます。

$rcmail_config['default_charset'] = 'UTF-8';

  649行目は意見が分かれるところでしょうが、古いメーラーに送信することを考えるならば、iso-2022-jpにしたほうが日本的配慮というか無難でしょう。もうそんな時代じゃないよって方はデフォルトのUTF-8で問題ないでしょう。

/etc/roundcube/apache.conf

 apache.confファイルは一箇所だけ変更します。セキュリティ的に重要な項目です。

#    Alias /roundcube /var/lib/roundcube
    Alias /mywebmail /var/lib/roundcube

  4行目の#コメントを外します。さらに”roundcube”の部分を任意の文字列に変更します。(例:mywebmailにしています。)ここで設定したエイリアス名がWEBメールにログインするためのアドレスになります。

 roundcubeのままや、webmailとか簡単に推測できるようなものはお勧めできません。公共性を高くしたい場合は別ですが。

 以上で設定は完了です。apacheの再起動が必要です。

/etc/init.d/apache2 restart

動作確認

 さきほど設定したエイリアス名でブラウザにhttps://ドメイン名/エイリアス名/ を入れてみます。

roundcube7

利用したいユーザー名とパスワードを入れます。

roundcube8

 ログインできました。操作方法は一般的なWEBメールです。日本語対応です。

最後にひとこと

 外出先から自宅メールサーバーにWEBメールを使ってたら、なんだかカッコいいですね。Debianのリポジトリから入ったのはVer.0.7.2でした。

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